水に映る月
初めてデートした日‥。
─ オレみたいなんと関わったらあかん。純ちゃんに良くないからな ─
─ だって、あたし‥、ケイちゃんすきやもん ─
─ ありがと。そのキモチだけ戴いとくわ ─
軽く遊ぶことだって、慧には出来たはずなのに‥。
彼は、あたしを遠ざけようとした。
同居を始めても、深く関わることを避け続けていた。
それって、巻き込みたくないからなのかな‥
それって“愛”なのかな‥
「純ちゃん、在庫確認お願い。」
中井さんに声を掛けられて、我に返った。
「はい。」
あたしは返事をして、事務所に向かった。