水に映る月
 

初めてデートした日‥。



─ オレみたいなんと関わったらあかん。純ちゃんに良くないからな ─



─ だって、あたし‥、ケイちゃんすきやもん ─



─ ありがと。そのキモチだけ戴いとくわ ─



軽く遊ぶことだって、慧には出来たはずなのに‥。

彼は、あたしを遠ざけようとした。


同居を始めても、深く関わることを避け続けていた。



それって、巻き込みたくないからなのかな‥


それって“愛”なのかな‥



「純ちゃん、在庫確認お願い。」


中井さんに声を掛けられて、我に返った。


「はい。」


あたしは返事をして、事務所に向かった。


 
< 299 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop