水に映る月
「純、オナカ空かへん?」
ウェーブの掛かった長い髪を、風に靡かせて清香が訊いた。
「うん、空いたァ。」
彼女とは対照的なあたしの短めの髪は、流行りのピンク系ブラウンに染めてる。
清香はファーストフードに行こうって言ったけど、あたしはイヤだと答えた。
前から、二人組の男の子が歩いて来て、左側がタイプだったから。
あたしの自慢は、大きな目。
アイラインで囲まなくても十分だし、メイクは薄い。
その自慢の瞳で、彼を見た。
目が合った瞬間、あたしは勝ちを確信する。
予想通り。
彼が笑い掛けて来た。