水に映る月
家賃も光熱費も、慧の通帳からの引き落とし。
でも‥
彼が戻って来られる状態じゃないなら‥
いつか、あの部屋から追い出される日が来るかもしれない‥
そんなことをボーッと考えながら、帰りの電車に揺られていた。
駅前のスーパーに寄って、お弁当を買った。
一人だと作る気にもならないし、外食も寂しくて‥。
最近は、ずっと、こんなカンジ。
マンション入り口のオートロックを解除して、エントランスに入った。
降りて来たエレベーターに乗り、あたしは四階に上がった。