水に映る月
部屋に入って一息吐いた後、お弁当をレンジで温めて食べた。
一人では、お笑い番組を見ていてもつまんない。
テレビ台にしているローチェストからゲーム機器を取り出して、慧が遊んでいたRPGのソフトを本体にセットした。
テレビ画面に、ゲームのタイトルが映る。
カーソルを《ニューゲーム》に合わせ確認キーを押す。
オープニングの鮮やかな映像が瞳に映った。
いつの間に降り出したんだろ。
ザーザーと、雨音が部屋に響いている。
あたしは立ち上がり、閉めていた遮光カーテンを開けた。