水に映る月
何時間、座りっぱでゲームしていたのかな‥。
気付くと、夜中になっていた。
セーブ画面でゲームをセーブし、本体とテレビの電源を切った。
そして、立ち上がり、お風呂にお湯を溜めようと、バスルームに向かった。
不意に、ガチャガチャと玄関から物音が響いた。
突然のことに驚いて、心臓は破裂しそうなくらいに大きく膨らんだ。
思考回路は停止したまま。
振り向いて、開いて行くドアを見ていた。
─ うそ‥
「ただいま‥。」
雨に濡れた慧が、玄関に姿を現した。