水に映る月
 

そんな風に言われること‥、ずっと夢見てたはずなのに‥。


慧に抱きしめられることを、望んでいたはずなのに‥。


優しい瞳で両手を広げる彼を、あたしは、ただ、見つめることしか出来なくて‥。


「どしたん?純ちゃん、暖めてくれへんのか?」


慧は立ち上がり、あたしの傍に来た。


そして、あたしの腕を、そっと掴んだ。


 
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