水に映る月
 

促されるままに立ち上がった。

まるで、操り人形になったような、そんな気分だった。


慧は、あたしを引き寄せてキツく抱きしめた。


さっきから感じているDOKIDOKIが、もっと激しくなる。

勢いを増して、胸の中で鳴り続ける。


体は硬直状態。

何も考えることが出来なかった。


彼は、僅かに腕の力を緩めた。

そして、片手で、あたしの前髪をかき上げた。


 
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