水に映る月
 

「清香、早くなんか着たら?」


あたしは清香をせき立てた。


「だって、暑いもん。」


「そんなカッコで、ケイちゃんだって困るやん。」


「分かった~。」


彼女はバッグからTシャツと短パンを取り出して、それを身に付けた。


慧がホッとしたように、あたしに笑い掛けた。

あたしも違う意味でホッとした。


なんでだろ‥。

大胆な彼女に嫉妬したんだ。



─ 慧を誘うなよ‥


って‥。


 
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