水に映る月
∮02 恋って‥
服を着替え、出掛ける準備を整えて、清香と一緒に部屋を出た。
メモに書いてあった通りに、玄関ドアをロックして、鍵をドアポケットに入れた。
熱気を帯びた外気が肌にまとわりつく。
「あつ~!」
「夏、きら~い。」
真夏の日射しは、朝から強い。
場所が海だと、その暑さも然して気にならないのに、街中だと不快に感じてしまう。
太陽の恵みに感謝するキモチなんて、汗と共に流れていた。
あたしも清香も駅までの道を知らず、途中、犬を散歩させているオバサンに道を尋ねた。
そして、国道に沿って続く排気ガス臭い歩道を、駅に向かって歩いた。