水に映る月
 

あの日、ユーナさんと会ったことを慧に告げた時‥。

彼は、あたしを切り離すことを考えた。



─ 純ちゃんがアイツから聞いたこと、全部ほんまや‥ ─



─ オレのことは忘れてや‥ ─



ヨシトと住んでいた部屋に戻り、彼は、あたしが諦めるのを待った。



「けど、純ちゃんに会いたくて、たまらんかった。メールの返事、何回もしようと思ってはやめて‥、その繰り返しやった。」



シンが捕まったことを知り、慧は、彼自身が警察に捕まる日も近いと悟った。

だから、あたしに全てを話す為、ここに戻って来た。



「オレもヘタレやからな、素面じゃ無理や思って、飲んで勢い付けて来たけど‥、純ちゃんの顔見たら、話せんくなって‥。」


 
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