水に映る月
 

血の気が引くのを感じた。


ベッドに、慧の姿は無くて‥。



─ なんで‥?



「ケイ‥ちゃん‥。」


恐る恐る彼の名を呼び、ベッドから降りる。

まだ、夢の続きを見ているような気がした。


部屋には人の気配がしない。

嫌な予感だけが胸を占めていた。


ふと、ガラスのローテブルに、白いメモ用紙を見つけて‥、

あたしは、それを手に取り、そこに走り書きされた文字を読んだ。


 
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