水に映る月
 

慧は、いなくなった。

彼は、自首を選んだ。


だけど、あたしのココロは、どこか暖かかった。


抱かれたせいかもしれない。

待っていようと思えた。


離れたくなくて、逃げることばかり考えていた。

そんな自分を恥ずかしく感じた。



彼が犯した罪は、償っても償い切れない。

例え出所しても、一生、闇を引きずって生きて行かなければイケナイ。


決して、許されることじゃないけど‥。

それでも、慧を愛してるから‥。


あたしは、その闇を照らす月になりたい‥。

彼を癒す光になりたい。


そう、強く思った。


 
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