水に映る月
慧の意思で選んだ道。
その先で、あたしは待ちたい。
ココロが繋がっている今、どんなに時が過ぎても、もう寂しいなんて思わない。
あたしが慧を愛しているように、彼も、あたしを愛してくれている。
まだ、肌に残る慧の温もりが、そのことを強く感じさせていた。
─ ケイちゃん‥
テーブルには、宿泊代とバッグに入れていたはずの、あたしのケータイが並べて置いてあった。
あたしは服を着替え、バッグを手に、ホテルの部屋をあとにした。