水に映る月
 

春まだ浅い雪解けの頃。


あたし達は、北海道にいた。


霧深い夜の湖畔に立って、水面に映る月を見ていた。


波の無い湖を、キラキラと夜空の月が輝かせている。


あたしは、慧に囁いた。



「ありがと。あたしに触れてくれて‥。」



慧は髪が短くなった。

だけど、あの頃と変わらずカッコイイ。


彼は、あたしを抱きしめた。


そして、優しくkissをした。


柔らかい月明かりの下‥。


あの頃より髪が伸びたあたしは、慧の腕の中で、本当の愛を感じていた。


 
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