水に映る月
 

案の定、シゲくんからデートに誘われた。


「純ちゃん、帰りにメシとかどう?」


「んー、今日も忙しいかも。」


「そっか‥。でも、忙しくなかったら来れるやろ?俺、今日は純ちゃんに話したいことあるねん。だから、待つわ。」


「待ってるのは自由やけど、ほんまに行けるか分からんし‥。」


「待ってる。今日は車で来てるし、純ちゃん来るまで待ってる。」


シゲくんが指定した待ち合わせ場所は、ファミレスの駐車場。


これまでも何度も断っているのに、こうして誘って来るのには、理由があって‥。

けれど、どんなに頼まれても行く気は無かった。


「お疲れさまです。」


「純ちゃん、お疲れ♪」


バイトを終え、その夜、あたしはサトルの部屋で泊まることにした。


 
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