水に映る月
 

「もしかして、ヒマ?」


計算通り、通りすがりに声を掛けられた。

だけど


「忙しいし♪」


あたしは、敢えて逆をつく。


「オレらヒマやねん。遊んでや♪」


話し掛けて来た右側の彼には答えずに、あたしはカワイコぶった表情で清香を見つめた。


「清香、どぉする?」


モチロン、彼女がokしないワケがないことは分かっているから、単に焦らしているだけ。


「あたしはイイけど‥。純は?」


案の定、清香に訊かれ、ちょっぴり悩んだフリをして‥。


「ほら、友達もイイゆーてるやん。遊ぼ♪」


「うん‥。イイけどぉ。」


仕方なく‥ってポーズを崩さず、あたしは彼らに頷いた。


 
< 4 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop