水に映る月
シャワーを済ませ、また窓から外を見ていた。
ファミレスの建物の灯りとは対照的な暗い駐車場に、数台の車が停まっている。
けれど、どれがシゲくんの車なのか解らなかった。
外灯の明かりが切なく感じるのは、なんでかな‥
やっぱり、ハッキリさせた方がイイのかな‥
行く気なんて無かったのに‥。
「ちょ、外に行って来る。」
ガラス窓を閉めて、あたしは玄関に向かった。
「戻って来る?」
テレビを見ていたサトルが、顔を上げて訊いた。
あたしは彼に頷いて、アパートを出た。