水に映る月
 

「サトル、どしたん?」


不思議に思っていると


「なァ、純ちゃん。なんでkissはイヤなん?」


顔を上げたサトルは、思い出したように訊いた。


「kissって、キモチ入ってしまいそぉやもん。割り切れんくなりそぉでイヤって、一番最初にゆーたやん。」


あたしは、彼を見つめて答えた。


「オレが割り切れんくしたろか?な、本気になってみる?」


「イヤや、あほ♪」


「あ!純ちゃん、ムカつくっ!」


サトルの手が激しくカラダを刺激する。

余計なことは、考えたくない。


だけど



─ あたしのfirst-kiss

  永遠に無いかもしれないな‥



そんなことを思った時‥、


ふと、慧の笑顔が脳裏を過った。


 
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