水に映る月
「ね、サトル、ヤメて。」
「なんで?」
「なんか、そんな気分になれへん‥。もぉ寝たい。」
「ワガママやな、純ちゃん。」
「ごめん‥。」
サトルはイイ子だから、無理強いしたりしない。
ちょっぴり不服そうな顔をしたけど、彼は、あたしから離れゴロンと横になった。
あたしは彼に背を向けて、壁を見つめた。
なんだか分からないけど‥。
慧を思い出した途端、サトルに触れられるのがイヤになった。
─ なんでかな‥