水に映る月
∮03 GIVE&TAKE
 

慧は、あたしが車から降りるのを待っていた。


けれど、涙が止まらないあたしは助手席に座ったままで‥。

彼は、小さく溜め息を吐き、シートに深く体を沈めた。


そして


「そんなに、オレのことすき?」


って、訊いた。


あたしは声にならない声で


「うん‥。」


って、頷いた。


 
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