水に映る月
約束していたけど‥。
高校二年生の夏、祖母は寝たきりになって、入院生活を送るようになった。
週に何度かお見舞いに行っては、祖母の入れ歯を洗ったり、爪を切ってあげたり、話し相手になったりした。
何度も危ない峠を越えて、心配したり安堵したり‥。
そして、高二の冬。
祖母は、帰らぬ人となった。
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もし、今もまだ、祖母が元気で生きていたら、きっと、ジプシー生活なんてしていなかった。
大好きなおばあちゃんと、一緒に暮らしていた。
レジで精算を済ませ、スーパーの袋いっぱいに商品を詰めて、西陽が射す歩道を、あたしは帰路についた。