水に映る月
 

部屋を提供して貰っている代わりに、あたしが家事をする。


そんな生活を始めて一ヶ月が経ち、壁に掛かったカレンダーは、九月になっていた。


バイトの休みは出来る限り、慧の休日に合わせ、二人で買い物に行ったり、遊びに行ったりした。


時々、慧は、一人で出掛けることもあったけど、夜には帰って来て一緒に過ごしてくれた。


DVDを見たり、対戦ゲームをしたり‥。

二人で過ごせる休日が、あたしにとって一番の楽しみになった。


ただ、慧との距離は、一向に縮まる気配は無くて‥。


 
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