大好きでした。
入学式が終わり、最初のホームルームが始まっていた。
担任の長谷先生の提案で私達のクラスは、一人一人自己紹介をしていた。
自己紹介を聞いていると私は2つの事が分かった。
一つは、元々小さな町の高校のため、皆、私以外は顔見知りだということ。
もう一つは、そのなかでのトップは男子が桜田ヒロト、女子が中原麻耶だということだ。
中原麻耶というのは、少しぽっちゃりめだか目が大きくて人当たりも良い、皆と仲良くできるムードメーカー的な存在だった。
実は私も前の学校では、中原麻耶のようなポディションにいた。
しかし、ここは空気を読んで当たり障りのない自己紹介をした。
つもりだった。
ホームルームが終わり、クラスにはもうグループが出来つつあった。
私もどこかのグループからの誘いを待っていた。
が、どこからもこない。
すると中原麻耶が私に話かけてきた。
『梨乃ちゃん、私麻耶。よろしくね♪』
軽く傷心だった私には、その麻耶の笑顔がとても嬉しかった。
私は、すぐに麻耶と打ち解けた。
帰り、麻耶が親友を紹介すると言ってきた。
連れて来こられたのは早瀬レイラという隣のクラスの背の高い女の子だった。