遠吠えクラブ
 何が許されないのか、何をつくれば喜んでもらえるのか、羽純は考え続けることに疲れていた。

「胃が重いから、なにかさっぱりしたものが食べたい」
という英毅に、一生懸命に本を見て、何時間もかけて海老のチリソース煮をつくって呆れられた。

「だって海老だったらさっぱりしてると思って…」

そう言う羽純に背を向け、英毅は無言でカップヌードルに湯を入れ始めたっけ…。

 それ以来、羽純はスーパーやコンビニで英毅の好きだったカップヌードルのパッケージを見ると、胸が苦しくなる。
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