遠吠えクラブ
結婚前、羽純は本屋に行くたびに不思議だった。
どうして世の中にはこんなに、料理の本があふれているのだろう。
料理本一冊分の料理ができれば、一生、それで充分だろうに。
だけど、結婚してみて初めてわかった。レシピがどれだけあっても、それが自分が上手に作れる料理とは限らないのだ。
また自分では上手に作れたと思っても、それが夫の口に合うとも限らない。
だから女性はみんな、自分の苦境を救ってくれる、魔法みたいなレシピをいつも求めている。そのために料理本は無限に需要があるのだと。
そんな羽純にとって、美夏のスペシャル・レシピは実力が違いすぎて、まるで役に立たなかった。
美夏には、羽純がどれだけ作れないかがまったくわからないらしかった。
どうして世の中にはこんなに、料理の本があふれているのだろう。
料理本一冊分の料理ができれば、一生、それで充分だろうに。
だけど、結婚してみて初めてわかった。レシピがどれだけあっても、それが自分が上手に作れる料理とは限らないのだ。
また自分では上手に作れたと思っても、それが夫の口に合うとも限らない。
だから女性はみんな、自分の苦境を救ってくれる、魔法みたいなレシピをいつも求めている。そのために料理本は無限に需要があるのだと。
そんな羽純にとって、美夏のスペシャル・レシピは実力が違いすぎて、まるで役に立たなかった。
美夏には、羽純がどれだけ作れないかがまったくわからないらしかった。