遠吠えクラブ
 家庭裁判所で、英毅は羽純が壊したものの写真を提出したが、羽純はすべて、夫の暴力のせいで壊れたものだと言い張った。

 百八十センチ以上もある元ラガーマンの英毅と、体重四十キそこそこの羽純を見て、誰もが羽純の言い分を信じた。

 結局、英毅は羽純と完全に縁を切るためだけに、かなりまとまったお金をくれた。遊が自分の子供でないことも、気がついていたのかもしれないが、羽純に得体の知れない恐怖を感じたようでもあった。
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