遠吠えクラブ
何か変だ。
なぜ羽純と聡が、目を見交わしているんだろう。
でも今は、そんなことよりあのメモのことを確かめなくては。それに、庭から変な物音がするのも気になる。なぜ聡さんはあれに気がつかないんだろう。
美夏は次々にわきあがる疑念を振り払うかのように一気に花束の紙をはがし、キッチン・シンクの水に漬けようとした。
「これが入るような花瓶、あったかな…」
「美夏、それ、触らないほうがいいよっ!」
突然、羽純がびっくりするくらい大きな声で叫んで花束を取り上げようとした。
太い棘のある枝の部分を思いっきり握ってしまったまま、瞬間的に羽純と花束を力任せに引っ張りあう形になる。
あわてて手を引いた瞬間、美夏の指に鮮血が走った。
なぜ羽純と聡が、目を見交わしているんだろう。
でも今は、そんなことよりあのメモのことを確かめなくては。それに、庭から変な物音がするのも気になる。なぜ聡さんはあれに気がつかないんだろう。
美夏は次々にわきあがる疑念を振り払うかのように一気に花束の紙をはがし、キッチン・シンクの水に漬けようとした。
「これが入るような花瓶、あったかな…」
「美夏、それ、触らないほうがいいよっ!」
突然、羽純がびっくりするくらい大きな声で叫んで花束を取り上げようとした。
太い棘のある枝の部分を思いっきり握ってしまったまま、瞬間的に羽純と花束を力任せに引っ張りあう形になる。
あわてて手を引いた瞬間、美夏の指に鮮血が走った。