遠吠えクラブ
「美夏はどうだったの? レオとはうまくいってたの?」
聡の頭の中は、真っ白になっていた。
え? 美夏?
そう、美夏はレオをすごく可愛がっていた。
「もしかしたら私よりも、レオと気持ちが通じ合ってるんじゃないの?」
なんて冗談で焼き餅を焼くことはあったけど。そして僕も
「そんなのあたりまえじゃないか」
って冗談で答えていたけど。
美夏は責任感が強くて、ちゃんと健康に飼うのが飼い主の責任だって言って、そういうところもますます美夏が好きになった。
相手に押し付けないけど、自分の足で立っている強さがあって、さっぱりしていて、やさしくて。
どこか恐ろしかった羽純やほかの女の人たちは、まるで違っていた。