空色のじかん
高校入学
「紗乃、あんた東高行くって…。
第一女子はもうやめたの?」
母が目を大きく開けて私を見る。
「うん。」
「うんって…。
あんたが女子校行きたいって言ったんでしょう。」
「だって東高の方が偏差値良いし
家から近いでしょ。」
「いや、まぁそうだけどね。
なんでそんな急に…」
「別に何もないよ、なんとなく。
それにね!制服かわいいんだよ♪」
「結局制服目当てなの?
呆れた…(笑)」
これは中学三年の11月の会話。
-4月-
そして私は今日から東高の生徒。
本当の事をいうと
第一女子に行きたかった。
でも個人的な感情で
母に負担をかけたくない。
私立の中でも第一女子は
学費がかなり高いと有名だ。
バイトが禁止っていうのも痛いところだった。
まぁ、三年間は
我慢にするしかないよね。
それにもしかしたら
苦手克服出来るかもしれないし。
よし!頑張るぞ!!
桜が風に舞う中、
私はこれから三年間お世話になる
東高の校門を通り抜けた。