空色のじかん
「えー皆さん入学おめでとう。」
入学式が終わった教室で
担任の小田先生が話した。
「1ー4」
教室の入り口にはそう書かれた札が提げられている。
1年4組。
もう私も東高生なんだ。
「…ー…。〜というわけで明日のオリエンテーションは以上の通りです。」
「何か質問はありますか。…では今日はここまで。」
小田先生がそう言い終えると
静かだった教室が少し騒がしくなった。
あちこちで生徒たちの声が聞こえる。
「よろしくね」「どこ中出身?」
あぁ、みんな友達づくりか。
私も誰か…。
ふと隣の席に座る男子と目が合った。
あ…男の、子。
一瞬ためらいそうになる自分に鞭を打つ。
「あ、あのよろし
「俺佐野拓真。よろしくね」
私が言い出すと同時に佐野くんがそう言った。
何か言わなきゃ…
「わ、私吉岡紗乃って言います。よろしくお願いします。」
目を見れないままうつむき加減でそう言った。
「吉岡さん、何で敬語なの?(笑)」
「あ、いやこれはとっさに」
あーもう何やってんだ、私。
挙動不審すぎる。