空色のじかん

「新入生なのによく怒られなかったね。」



「え?」

聞こえなかったのか
きょとんとした顔で耳に手を当てる。


「あ、いや、そのネックレス…」


佐野くんは胸元のネックレスに指をかけながら

「あーこれのこと?かっこいいっしょ?
これさー


「こら、佐野!入学早々そんなもの付けて」

話し終わる前に小田先生が入ってきた。



あ、やっぱ怒られた。



「先生ー許してくださいよー。
ねっねっ?」

甘えた声で佐野くんが先生にすり寄る。



「ふっ…ははっ」

思わず笑ってしまう。




佐野くんは明るい人だな。
優しくて全然軽くない。


やっぱり人は見かけじゃないよね。

「笑うなよ(笑)」

先生をなだめ(?)た佐野くんが私の顔を覗きこむ。


ニヤッと笑ったかと思うと

「吉岡さんって髪綺麗だよね。
いい香りするし」

そう言って私の髪に指を絡ませてきた。


「え!?や、全然。そんなことないから!」

いきなりのことに思わず顔を背ける。


「クスッ冗談だよ。吉岡さん、反応面白すぎ(笑)」


ななななんなのいきなり
撤回!


佐野くんは良い人だけど軽い。

突飛な行動にこれからも驚かされそうだな…




机に両肘をついて頬を抑える。
私、今絶対顔赤くなってるよね…


あんなことされるの初めてだもん。
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