私の心が死んだ時…
「あんた早く死んでよ」



その言葉に彩はもう驚かない。驚かないくらいに普通になりすぎてしまったのだ。



慣れたくなかったが・・・・慣れた。



母の汚い言葉に、祖母の頭にキーンとくるような怒鳴り声。




母と祖母が仲が悪くなったのはいつからか・・・・それすらもう思い出せない。




ただ・・・家に居ると絶えることなくこの声は続く。




耳を塞いでも塞いでも・・・聞こえてこない日はなかった。




彩はただボーっと家を見ていた。



(ここが・・・・私の・・・帰る家・・・か・・・・)




どれだけ嫌でも学生の彩は家に帰るしかない。



分かってはいるが・・・・・彩は目の前にある自分の家が牢獄のようにしか見えなかった。
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