捨て犬な彼 ─甘えんぼクンと俺様クン─
「あーっ!疲れたぁー!」
「ただいまー」
やっと帰ってこれた。
帰りは荷物が多かったからバスに乗ったんだけど、ハルが騒ぐから大変だったんだから!
罰として、ハルの両手にはいっぱい荷物を持たせた。
それでもひょいひょい運んでるから意味なかったかも。
それにしても…
あたしは1つだけ自分で持った、小さな袋から青い首輪を取り出した。
結局買っちゃった…
駄々っ子みたいなハルが可愛くてつい…
ハルの第一希望のトゲトゲは高くて買えなかったけど
第二希望の、大型犬用の青い首輪なら買えた。
「はぁ…」
小さく溜め息をつくあたしの隣で、ハルがドサッと荷物を置く。
「あっ!それ俺の俺の!」
全然疲れてない様子のハルが、あたしの手から首輪を奪い取った。
「あっ、コラ!春!」
「ちょっと待ってて!今付けてくるからぁ!」
ドタドタとバスルームにむかうハルを見て、
やっぱりハルのなんだ…
って思った。