捨て犬な彼 ─甘えんぼクンと俺様クン─
「じゃぁーんっ」
バスルームから出てきたハルは、いつの間にかさっき買った服に着替えていた。
首には、青い首輪をつけて…
「ねぇ、ハル?」
「ん?」
あまりに嬉しそうなハルに、遠慮がちに言った。
「あのね?ハルは、ペットだけど、人間なんだよ?」
「うん」
「だから…ね?外そ?」
こんな理由で、駄々っ子ハルくんが言うことを聞くはずが無い。
「やだっ!だって、蘭が俺にくれた物だもん!」
そう言ってハルは、絶対に脱ごうとしない。
その後もいくら言っても聞かなかった。
でも…
ハルがそんなにあたしからのプレゼントを大切にしてくれるのが
嬉しかった。