捨て犬な彼 ─甘えんぼクンと俺様クン─
もと居た場所に戻してきなさい!
「…柏葉…涼子…お母さんからだ」
届いた宅配便の中には、お裾分けのお菓子と、それから白い封筒が一つ入っていた。
「えぇっ!」
お母さんが…
「どしたの、蘭?」
しかも今日!
「ねーえーどしたのー??」
あたしは、ゴロゴロ転がりながらのほほんとしてるハルに詰め寄った。
「お母さんが来る!!今日!!ここに!!」
「お母…さん?」
ハルが聞き直したと同時にチャイムが鳴った。
ピンポーン
(ひぃーっ!ハル!隠れ…)
「はーい!はいはーい!」
ひょこひょこと玄関に向かうハル。
「ハル!お願い、隠れて!」
ハルの背中を引っ張る。
「え?なんで?」
「なんでも「蘭ー?いないのー?」
お母さんだ!
「蘭?呼ばれてるよ?」
ハルと玄関を交互に見る。
あたしは、バスルームを指さし、はっきり言いはなった。
「ハル!ハウス!!」
ハルは小学生と一緒だ。
完全にノってくれた。
「わん!」
「ちょ…ノりすぎ!声でかいから!」
しばらくハルには我慢しててもらおう…