捨て犬な彼 ─甘えんぼクンと俺様クン─

「あっ、そ、それね、あのーほら!昨日間違えて買っちゃったぁ…メンズなのにねー…アハハハ」


少しだけ疑い気味のお母さん。


ゴクリと唾を飲み込んだ。


「あら、そう……前にもこんな事あったわね…」


「えっ…うん、間違えちゃったぁー…テヘッ…」


なんだろう…テヘッて…



「それなら蘭、あれは何なの?」


お母さんの指の先には洗濯物。


ハルの服が干してある。


「男性服なんか着ないわよね?」


「あ…それは…あのー」


「蘭、お母さん、怒らないから…正直に言いなさい?」
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