捨て犬な彼 ─甘えんぼクンと俺様クン─
「お…重い…」
ズルズル引きずっちゃったけど、大丈夫かな?
男の子の額に手をおいた。
「あっつ!…すごい熱…」
どうしよ…
すごい苦しそう…
てか、濡れてちゃダメだよね?
床に寝かせるのもダメだし…
あ、何か食べさせないと…
ぐるぐると思考回路がまわるばっかりで、何すればいいか分かんない…
「えっと…えっと…」
とりあえず自分のベットから布団を引きずりおとした。
「……」
濡れた服、濡れた髪…
…これ、どうにかするべき?
「とりあえず、とりあえず、」
一人言がやたらに増える。
バスルームからバスタオルを一枚持ってきた。
男の子の横に正座する。
「……よしっ」
見ない見ない…
見なければ大丈夫…
だって、緊急事態だし…
やけに薄着の男の子のブイネックの襟に手をかけた。