捨て犬な彼 ─甘えんぼクンと俺様クン─
「…」
抜き足でリビングに向かうあたし。
ソファには、こっちに背中を向けてハルが座ってる。
窓の外はすっかり夜。
昨日と同じパターン…
あたしはまだ半乾きの髪をそのままにして、ハルに気づかれないようにベットに移動中。
名付けて…
早く寝ちゃおう作戦!!
そんな事を考えてたあたしは、自分の足元にゴミ箱がある事に気がつかなかった。
ガタッ!
「っあ!」
咄嗟にハルの方を見た。
びくっと動く背中…
ついに頭が動いて、ゆっくりとこちらを振り向いた。
あたしは覚悟を決めて、唾を飲み込んだ。