捨て犬な彼 ─甘えんぼクンと俺様クン─

一通りの看病を終えて、初めてまじまじと彼を見た。


「嘘…すごい…かっこいい…」


長いまつ毛、綺麗な肌、黒い髪は、長くもなく、短くもなく…

肩はがっちりしてるけど痩せ型だし、なにより…スウェットからチラチラ見えてる鎖骨がなんかすごい。


足も長かった気がする。背も…180以上あるだろう。


とにかく、蘭の高校の誰よりも美少年なのは確かだった。


「あたし、もしかしてすごい事しちゃったんじゃ…」


この人、なんであそこにいたんだろ…


聞こうにも起きないしなぁ…


しばらく黙って座り込んでいたけど、ふと時計を見た。


12時。


はぁ。と溜め息をついたあたしは、その日はもう、お風呂に入って寝る事にした。


見知らぬ彼にベットをとられて、ソファーにねっころがった。


明日は目を覚ますかな…あの人…
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