つけまデビュー
ある日のことだった…。
姉の友達が家に遊びに来ていた。
姉からは「私の友達が家に遊びに来たらあんた、一歩も自分の部屋から出ないでね!!もし友達があんたの顔見て私の妹は超地味子っていう噂になったら恥ずかしいじゃん!」と言われていた。
私はそれをちゃんと守っていた。
しかしその日、私は姉の友達が家に来ていることを知らず部屋から出ていた。
トイレに行こうと階段を下りると知らない顔の可愛くておしゃれな女子高生がこちらを見ていた。
私は固まった。
(この人絶対姉の友達だ…。)私はとりあえずペコっと頭を下げて早足でその人から離れた。
…どうしよう。
…会っちゃった。
その夜姉は私の部屋に勢い良く入ってきた。
私は覚悟していたけど怖かった。
ヤバい絶対殴られるっ…!
と思った瞬間…
バシッ!!
頬が急激に熱くなった。
指が目に当たったのか涙も出てきた。
「美里っ!!!!!」
目が怒りに満ち溢れいた。
「部屋から一歩も出ないでっていってたでしょっ!?」
私は殴られたからなのかマジでビビって声が出なかった。
「まじでだるいんだけど…、あんたのせいで変な噂できたらどうすんの!?まじ死ね!!」
私は言い返すことが出なかった。
声が出なかったとかじゃなく何か話そうとしても説得力のある言葉が出てこなかったから。
「何さっきから黙ってんの!?ウザっ!!も~とりあえず死んで?」そう言い残しドアをバンッと閉め出て行った。