ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

 鳥の声が、遠くで聞こえた。
 マナが目を開けると、ユウが上半身を起こして自分を覗き込んでいた。
 優しい眼差しに胸が熱くなる。
「目が覚めた?」
「ええ。夢を見てたの」
「どんな夢? 俺は出てきた?」
「ええ。素敵な夢よ」
 夢を見ていた。
 幸せな夢だ。
 少し歳を重ねたユウとマナと、たくさんの子供達が楽しく笑い合っている。
 子供達はきっとみんな、二人の子供だ。
 幸せな夢の名残が、マナに不用意な言葉を口に出させた。

「ユウ、あたし、はやくあなたの子供がほしいわ」

「――!!」
 聞いた瞬間、凍りついたように、ユウは動かなくなった。
 見る間に青ざめていく彼の顔を、マナは身体を起こし、心配そうに覗き込んだ。
「――ユウ、どうしたの?」
「……」
「ユウ?」
 手を伸ばして触れた肩は、小さく震えていた。
 恐ろしいほどの後悔と動揺が、マナに伝わった。


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