ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~
「!!」
その瞬間、モニターのディスプレイに大きな木製のテーブルが投げつけられた。同時にスクリーンの風景が消え、窓のない部屋は人工燈の明かりだけが浮き彫りになる。
「きゃあ!!」
マナの悲鳴。
モニターに気をとられていたシイナとフジオミが振り返る。
「――」
薄暗い視界の中、ぐったりとしたマナを抱きあげている者に、フジオミは愕然とした。それは、未だかつて彼が目にしたことのない、不思議な容姿だった。
抜けるような白い肌。
銀糸のような髪。
見据える瞳は薄闇でもそれとわかる、炎のような赤だった。
マナよりもほんの少しくらい年上にみえる、まだ少年だ。
声も出せずに、フジオミはその少年を凝視していた。
「ユウ!!」
シイナが叫んだ。
それがフジオミにさらなる驚愕を与える。
今、シイナは少年の名前を呼んだ。
彼女は彼を知っているのだ。
赤い瞳が鋭くシイナを睨んだ。
だが、すぐに踵を返して部屋を出ていった。マナを抱いたまま。