ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

 彼女の中には、もう愛しか、なかった。
 愛とともに生きることしか、できなかった。
 そうだ。どんなになっても、生きることを望んだのだ。

 どんな姿でもいい。
 どんな人生でもいい。
 こんなに絶望しかなくても。
 それでも、生きていたい。
 生きていてほしい。

 そう思えるまで、ユカは何度涙を流したのだろう。
 何度絶望し、それを越えてきたのだろう。
 生きることさえできなかった命を、彼女はたくさん通り過ぎてきたのだ。
 愛していると、告げることすらできなかったか弱く愛しい命達。
 そんな中で、ようやく出会えた新しい命。

 愛さないわけがない。
 愛せないわけがない。

「…ユウ…」

 愛しさに、胸がつまる。


< 155 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop