ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

「ユウ、マナ!!」

 廃墟内に、突然現われた二人に驚いたものの、フジオミはすぐにユウの身体を焼いた傷を見た。
 右胸と左腿が肉の焦げた臭いを放っている。
 レーザーで焼かれた傷は治せないと聞いたことがあったのを、記憶の片隅が覚えていた。
 レーザーは細胞を殺すのだと。
 再生不可能になるまで。
 今の医学でも、再生は不可能だ。
 ユウは蒼白な顔で、苦痛を堪えるように目を閉じて動かない。
「いや ユウ、いや、死なないで…」
 口に出して、マナはその言葉の恐ろしさに身震いした。
 死。
 それは全てを無に返すもの。
 愛した命を永遠に奪い去るもの。
「いや、ユウ、ユウ、死んじゃ駄目、そんなのいや…」
「マナ、そばにいてくれ。最期まで…」
 すでにユウは死を覚悟している。

 外は奇妙なほど静かだった。

 だが、強い、たくさんの感情が伝わってくる。
 戸惑いや、恐怖、焦り、悲しみ、一人のものではない、たくさんのクローン達のものだった。
 感情がないと教えられていた彼等は、ユウの力を恐れると同時に、シイナを恐れていた。
 自分達にこのようなことをさせる彼女を。
 その時、徐々に大きく、近くなってくるヘリの音に気づいた。

「マナ、シイナが来る――」

 フジオミとマナは目を見合わせた。


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