ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

「ユウ、帰ってきたのかい」
「おじいちゃん」
 ドアが片側だけ奇妙に斜めの角度で開いた。
 部屋に入ってくる人物を見るなり、マナは悲鳴をあげた。
 薄汚れた見慣れぬ型の長衣を身に纏い、長い杖を持った老人の姿は、マナの瞳には異様にしか見えなかった。
 髪は見事な白髪で、同じく白い髭が顔の下半分を覆い胸までとどいている。
「おやおや、嫌われてしまったようだの」
 さほど気にしたふうもなく、老人は微笑った。
 微笑うとかすかに見える皺のある肌に、さらに深い皺が刻み込まれる。
 だが、マナは顔を両手で覆ったまま震えている。
 声を殺して泣いているようだった。
 老人はその様子を眺め、それからユウに視線を向ける。
「ユウ、その子のお守りはおまえに任せることにしよう」
「おじいちゃん!!」
「私を当てにしていたのかい? それは見当違いというものだよ。私は反対した。おまえは聞かなかった。おまえの行動は、おまえが責任をとりなさい。お休み」
 ゆっくりと杖に体重を預け、老人はユウに背を向けて、来たときと同じに静かに部屋を出ていった。
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