ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~
「ユウ いつまで、あなたのこと待てばいいの…早く来て…」
何度も、ユウが迎えにきてくれる夢を見たけれど、目が覚めて虚しい現実に引き戻されれば、いつも哀しくて泣いてしまう。
いつ来るかわからないものを待つのは、苦痛だった。
このまま、彼が迎えにくるのを待っているだけでいいのだろうか――そう、考えてしまう。
何もせずに、ただ待っていてもいいものなのかと。
考えすぎて、嫌な結論を導きだしてしまいそうになるのも一度ではない。
迎えに来ないユウ。
それは来ないのではなく、来れないのだと。
あの爆発に巻き込まれ、もはや生きてはいないのではないかと。
いっそ死んでしまおうか。そう考えたこともあった。
簡単だ。
ユウがいない世界に何の意味がある。
あの声を聞けないのなら、あの微笑みが向けられないのなら、自分を抱く強い腕がないのなら、生きることはもはや死に等しい。
そう思いながらも、自分が踏み切れないのは、心のどこかで、ユウの死を否定しているからだ。
ユウが自分を一人残して死ぬはずがない。
約束したのだ。
ここを離れて、海の向こうの見知らぬ世界へ行こうと。
少しの可能性でも在るのなら、全てを否定することはできない。
決して。
自分以外の全ての人間がそうしても。
「――」
そうだ。
他人の言うことなど、なぜ信じられる。
老人も言ったではないか。
人の言葉を信じるよりまず先に、それが真実であるかどうか自分が確かめろと。
自分の目で、確かめるのだ。
ユウの死体を見るまでは決して信じない。
もし自分達がすれ違ったとしても、彼はきっと見つけてくれるはずだ。
シイナ達よりも早く。
「あたしが行くわ、ユウ、あなたの所へ」