ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~
第三章
すれ違い
マナがユウ達と暮らし始めてから、すでに四日が経っていた。
マナは彼らの生活に驚きながらも、素直にそれを受け入れた。もともと、彼女にとって生活というのは与えられたものを享受することが大前提にあったので、それがドームにいてもここにいても大差はなかったのである。
マナの日課は、ほとんど決まっていた。
朝起きて朝食を終えると、老人とともに散歩をしながら色々な話をする。
その後昼食をとり、今度はユウと廃墟や周囲の景色を散策する。
そうして夕食をとり、シャワーを浴び、寝る。
もちろん、絶えず彼らと一緒にいるわけではない。
特にユウはすることがたくさんあるので、散策の最後には、マナはいつも一人にされる。
ここでの生活は、全てユウにかかっているのだから、マナとしても別段文句もない。
ただ一つ、気になることと言えば、朝食を終えて、マナが老人と話をしている時、ユウの姿がどこにも見えないということだけだった。
そして、どんなところでも案内してくれる彼らが、決してマナを近寄らせない場所が一つだけあった。
それは、彼らの住んでいる廃墟の、地下へ通じる扉の奥だった。
マナは、ユウが午前中はそこにいるのかもしれないと思ったが、口には出さずにいた。
その間、穏やかな時間が流れていたようにも思えるが、それは表面だけのことだった。
あまりにも違いすぎる環境で育ったマナとユウにとって、衝突は必然のことだったのである。
そしてそれは、ほんの些細なことだった。
後になってから、マナも、怒ったユウ自身にも何が原因だったのか思い出せないほど、そんな些細な。