ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

「僕には何も考えることなどありませんよ。義務は果たしましょう。ですが、それ以上を望まないでください。望まれても、僕には期待に応えるだけの気力も情熱もありはしないんです。
 あなた達が、僕等をそう造った。ならばあなた達もそれ以外を考えるのはやめてください。今更後悔されても、何にもならない。
 中途半端な優しさを見せるより、彼女を殺してでも止めてやったらいかがですか。それさえもできないのなら、見え透いた偽善を振りかざすのもやめるべきです」
「――」
 黙り込むカタオカを、フジオミは憐れにも思う。
 確かに彼はシイナを傷つけただろう。義務を優先して、その信頼を裏切ったのだから。
 だが、彼だけを責められようか。
 カタオカもまた、自分達と同じに義務を強いられた人間であるに過ぎないのだ。
「すみません。言いすぎました」
「いや。いいんだ」
 大きな吐息をついて、カタオカは首を振った。
「実際、我々は袋小路に追い詰められている鼠のようなものだ。マナと君の子供が産まれれば、それで最後だ。それ以上増えることはないだろう。そして、マナにも正常な子供が産めるとは思えない。ユカがいい前例だ。今更過ちを繰り返すつもりはない。いずれ終わるなら、今終わらせても、大して変わりはないとも思えるのだよ」
「シイナにとっては、もっと前に言ってほしかった言葉ですね。なぜ、今更それを僕に言うんですか」
「あの頃は、私もまだ、ありえない可能性に縋っていたんだよ。そして、シイナを傷つけた。私は後悔しているんだよ。君のために、シイナを犠牲にしたような結果になったことを」
 フジオミは大して気にした風もなく肩を竦めた。
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