ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~
シイナの面影が脳裏をよぎる。
フジオミの知っているシイナは、いつも怒りと嫌悪しか彼に向けない。
フジオミの方は、いつもそれを興味深く観察していた。
シイナを見ていると飽きなかったのだ。
あの決して殺せない情熱は、一体何処から生まれるのだろう。
同世代で生まれていながら、この違いは一体何なのだろう。
フジオミにはわからなかった。
彼等の立場が、その魂の形成を大きく変えてしまっていたことを。
選ばれた者と、選ばれなかった者とに。
「――彼女を、自由にしてやってはいけないかね?」
カタオカの思いがけない言葉に、フジオミは我に返る。
「すみません。今なんと?」
「シイナを、自由にしてやってはどうだろう」
ためらいがちなカタオカは断定を避けてはいるが、フジオミにはそれが明白だ。
自分から、彼女を自由にしてやってくれとカタオカは頼んでいるのだ。
随分虫のいい話ではないか。今更。
「では、マナを見つけてください。マナがいるなら、シイナはいりません。いつでも自由にしてやっていい」
「フジオミ――」
「それができないなら、お断わりです。あなたと同じように僕だって自分が大事だ。見返りもないのに奉仕なんてできませんよ」