初恋-運命の恋人-
「行くなよ」
カイの腕の力が更に強くなる。
「俺の我が儘だって分かってるけど、俺はお前が側に居て欲しい」
カイは私に選択枠を与える訳ではなく、ただ純粋に自分の気持ちを伝えてくれた。
「カイ…っ」
カイの言葉に涙が溢れ出してくる。
多分、この言葉をかけて欲しかったんだと思う。
ただ純粋に私が必要だと言って欲しかっただけ…
自然とカイの背中に手を回した。
カイの体温や鼓動、全てが私を安心させてくれる…
ここに居ていいんだと言ってくれているような気さえする。
その温もりは、昔感じた温もりと一緒…
そして私は目を閉じた…